1. 実際に救急科で働く医師のエピソード

実際に救急科で働く医師のエピソード

34歳・女性救命医の体験談「やりがいしかない」

研修医時代には様々な分野に触れ、どれにもそれぞれやりがい魅力があると感じましたが、最終的には救急科を選択。
この分野は私にとってやりがいしかなく、その選択は間違っていなかったと確信しています。
もちろん、やりがいばかりではありません。
むしろ自分の無力さを感じる瞬間も多く、その度に「もっと頑張らなければ」と強い気持ちにさせられます。
心が折れそうになったことはあっても、折れたことはありません。
このメンタルも救急科だからこそ身につけることができたと感じています。
技術面はもちろん精神面も含めてあらゆる面で、鍛えてもらうことができました。

最もやりがいを感じられるのは、患者さんの元気な姿を見た時です。
対応するのは厳しい状況に置かれた方達ですから、なかなかそのような場面には出くわしませんが、だからこそ強いやりがいが感じられるのかもしれません。
人の命は生と死の二択ではないことも教わりました。
一命は取り留めたものの、そのまま目を覚まさないことも少なくなく、その度に、初期診療は正しかったのかと自分に問いかけています。

状態が好転しないと心配していた患者さんの意識が戻った時、私も思わず泣いてしまいました。
そんなエピソードがいくつも得られるのは、私は救急科だからこそだと思っています。

41歳・男性救命医の体験談「転科してよかった」

私は元々脳神経外科にいました。
とは言え、転職前の病院にも救急科はあったため、緊急を要する患者に対してはオペを含めた施術を行っていました。
その時です、救急科で働くことに興味を持ち出したのは。
そこから医師転職を決意するまで時間はかかりませんでした。
似たようなことをしていても、やはり異なる領域。
当然ですが救急科はさらに幅が広く、一種その現場に魅せられ転科することにしたわけです。

本人はもちろんですが、家族に感謝されること、これが私にとって大きなパワーとなっています。
私にも家族がいますから、大切な人と再び人生を共にできることの喜びや価値はわかるつもりです。
そんな中で、助けられなかった患者さんの家族から感謝されることもありました。
これは私の中でも特異なエピソードの一つ。
事故に遭った男性を、結局は助けることができなかったわけですが、なんとか助けたいととにかく必死でした。
その気持ちが伝わったのかもしれません。

医師は最善を尽くせば、それが実らなくても感謝されることがある、とても辛い職業であることを私はこの救急科で知ることになりました。
辛いことも多いですが、転科してよかったと心から思えます。